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光と陰の表現-基礎編Submitted by juan on 2006, February 16 - 10:01.
物体と平行光線だけがある場合を考えましょう。光線は直進するため、物体には「光が当たる部分」と「全く光が当たらない部分」ができます。下の図では、光が当たる部分と当たらない部分というデジタルな区別で塗ってみました。 しかし、たとえ単一の平行光線のみであっても、このように完全に白と黒に分かれるわけではありません。なぜなら、物体表面の明るさは光線と面の作る角度によって異なるからです。これは地球の赤道附近が一番暑く、両極の近くでは寒くなるのと同じ理屈です。同じ量の光がより広い面積に当たる場合、単位面積当たりの明るさが低下すると考えていいでしょう。 従って、実際には下図のようになります。グラデーションがかかるのは、光と陰の境界線より手前である事に注意して下さい。 さて、このように完全な単一光源のみの環境というのは、実際には多くありませんが、たとえば宇宙空間で太陽のみに照らされた宇宙船を描く時などはこのようにしてもいいでしょう。ただし、軌道上のスペースシャトルのように、惑星近傍にある物体を描く場合は、いわゆる「アースライト」、つまり惑星からの反射光を考慮しなければいけません。SF映画等を見て、宇宙船の陰の側が真っ黒でないからと言って、知ったかぶりでバカにすると、墓穴を掘る事がありますので気を付けましょう。もちろん、人物を描くような場合、大概なんらかの反射光(環境光)があるものです。 というわけで、反射光を考慮した塗り方をしてみましょう。この筒の右側に白い壁があるとします。壁からの反射は乱反射ですから、方向性はないような気がしますが、やはり壁に対して平行に近い角度の方がより多くの光を受ける事が出来ます。また、平行光線でないため、壁からの距離によって、受ける光はかなり増減します。高い3Dソフトに用意されているラジオシティレンダリングは、この効果を考慮したものだったと思います。 反射光はいろんな方向が混ざっているので、光と陰の境目はよりなだらかになります。また、そもそもの光源より明るくなることは普通ありませんので、光源側より暗くなっています。このような反射光を入れると、結構劇的に「立体物のリアリティ」を増す事が出来ます。セルアニメなどで陰を三段にして、光と陰の境目に一番濃い色を入れたりするのは、実際にはこのような効果を考えての事です。上の図4で見れば明らかなように、この場合、光と陰の境界部分が一番暗くなります。 *環境光の効果についての補足 ここでは右側の壁という反射源を考えましたが、夏の戸外など、オープンスペースでも、反射源はたくさんあります。コンクリートの地面、砂浜などは強い反射光を作るので、このような場合、下に追加光源があるような描き方をするとリアルになります。ただし、太陽光そのものにくらべると、相対的に弱い光なので、なんでもかんでも反射光を入れればいいと言うものではありません。つばの広い帽子をかぶって、影になった顔だとか、若干逆光になっている人物などを描く時にうまく使うといい感じになります。 >>>>実践偏へ ( categories: )
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